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El tatuaje por la palabra dejada en mi vida
遷延性意識障害のケアユニットで働いている。またの名を「野菜畑」ともいわれている病棟。入院患者の9割はレスピつき。そうでなくても全員気管切開。ナースコールなんて誰も鳴らせないかわりに毎日毎日24時間、何かしらのアラート音が絶え間なくどこからともなくピーピーと聞こえてくる。なかなかよくしたもので、機種によって音が違うし、同じ機種でも微妙に周波数が違ったりするので、アラート音が聞こえたら見に行く前から「あ、あれは○○さんのレスピが鳴ってるな」なんて働きだして半月ぐらいでわかるようになってきた(絶対音感がありますもんでw)。以前は家に帰ってもナースコールの空耳がするぐらいだったのだが、今はレスピのアラート音が耳の奥でずっと鳴っている。

こういうところに入院すること(人工呼吸器が必要)になる主な原因としては、やはり「アタマ系」で、脳幹出血の後遺症や交通事故などによる頭部外傷などが挙げられるのだが、侮れないところで他の事故や自殺による「蘇生後脳症」というものも多い。ガス中毒や溺水や首吊りや、食べ物を喉に詰めて窒息したとか、一度呼吸も心拍も停止してしまったのをまたこの世に呼び戻したその後、である。だからこの病棟の患者の平均年齢は若い。今まで高齢者ばかりの病棟にいたわたしにとってはびっくりするほど若い。

TVなんかでは、ドラマやドキュメンタリーで救命救急センターでの医師や看護師達の救命シーンはカッコよく取り上げてくれるけど、そこで蘇生した患者のその後なんかほとんど誰も知らないんじゃないか、と思う。どんな姿になって、どこに行くか、そしてわたし達がどんなケアをどれだけ続けていくのか。春野ことり先生E_physician先生のところなどで、延命治療や蘇生ってどこまでやるべき?みたいな話になると、必ずといっていいほど「何様のつもりだ、できることは全部やってどんな状態でもとにかく生かすのがお前らの仕事だろうが」みたいなことを最初からケンカ腰で言い出すようなある種の人が出てくるのを見ていると、ああ、やっぱり知られてないんだろうなあ、などと思ってしまうのであるが。

もちろん患者の家族がこう言うのもわかるのだ。「どんな状態であっても生きていてほしい」と。しかし、だ。救急センターに運び込まれた1分1秒を争う状況で選択を迫られたそのときの気持ちの盛り上がりが持続するのはやはりICUにいる間がいいとこらしい。そこからわたし達の病棟に移り、その状態で何ヶ月何年と入院生活が続く間も同じだけの情熱で同じことを言い続けている家族にはついぞお目にかかったことはない。週に1回面会があるだけでも御の字レベルである。今まで働いたことのある寝たきり高齢者ばかりの療養型病院と同じような雰囲気。

彼らにも生活はあるのだし、その全てを患者のためだけに割くことができないのもまたわかる。しかし患者自身の状態としては、見ている分にはいつ来ても同じ寝たきりのままであったとしても、療養型病院にいるような高齢者達とは違って、決して安定した小康状態を保っているわけでもなくて、実は医療的な身体管理面でも看護度でもICUにいた時となんら変わらない「永遠の急性期」のままなので、別に「助かったのだからもう安心」なんて言っていられる状況ではないのだが。

そしてそのような患者が、この病棟の本来の主たる入院適応(人工呼吸器による管理を必要とする)とされていたALSや筋ジストロフィーなどの神経難病とかによるものをはるかに上回っている、というかほぼ締め出している。もともとこの病棟は「野菜畑」などではなく、神経難病などで意識ははっきりしていてコミュニケーションもちゃんととれる状態ではありながらも、病気の進行から人工呼吸器が必要になって、在宅での管理が難しくなった患者のためのものであったのだが、今ではこの有様で。freeanesthe先生の「妄想未来新聞24」ではICUが満床でオペ患が受けられなくなるなんて話が出てきたが、もしもし先生、今のところそのICUからやっとのことで送り出されてくるレスピつき患者を受け入れるうちのような病棟はすでにこういう状態になっていますけどー。

そういうわけで、最近ちょっと考えるのだ。











こんなのとか

こういうの、パドルをつけるあたりにちっちゃく彫っておくとかいうの。


一般的な「ファッション」としてのタトゥに関しては否定的なうちの相方も、こういったものであるならよいのではないか、という意見である。いやむしろ、本当にそう思うのであればぜひ入れておいてくれ、ぐらいな。まあCPRなんか受けられない状況下で行き倒れたとしても、全身焼け焦げでもしない限り、もしくは腐乱死体とか白骨化とかで発見されない限りは身元確認に使えるかもしれない。
by valencienne | 2008-05-26 09:01 | 医療(裏) | Trackback | Comments(10)
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Commented by ありす at 2008-05-27 01:41 x
タトゥ彫ってそれを尊重してくれる人がいる環境なら私も彫りたいですが、今の日本でそのペイント(あえてそう表現します)がどれだけ効力があってそれに従った人が罰せられない状況にあるでしょうか・・・。確かに身元確認でしか使えないかも。
Commented by santa at 2008-05-27 12:48 x
DNRと書いてあろうがなんだろうが、救急車呼んじゃったら蘇生作業しないと呼ばれた人が後で困ったことになる可能性高いですね。日本だと。だから彫り物するよりも、家族とちゃんと打ち合わせておいてCPAになったら救急車を呼ばないという方針を確認しておくのが大事じゃないのかなぁ。
Commented by Oscar at 2008-05-27 12:51 x
「できることは全部やってどんな状態でもとにかく生かすのがお前らの仕事」って言う人に現実を教えてあげると、また何だかわけのわからない理由で怒り出すのですよ。
あ、勝手に自分のブログにリンクさせていただきました。
Commented at 2008-05-27 18:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by piro at 2008-05-28 05:36 x
えぼりさん、ご無沙汰してます。 まだ独逸で細々と生活しております。 

私も働いていた頃、パンチクリンに膨れたレスピの患者さんを見て同僚と話したものです。 タトゥー彫ろうかって。 もちろんDNR希望のですよ。 私たちの場合、おしものあたりに「オムツきちんと変えてやぁ」とか、お腹に、「綺麗に体拭いてやぁ」とかそういう話もしてたけど~。

妙にレスピ適応が多くなるのは、医者のムンテラ(ドイツ語的には笑える言葉)能力の問題もあると思うのですが。 ムンテラの上手な先生は、レスピが無駄なケースは、素人の家族にもDNR納得させれるような説明をしますからね。

ちなみに予断ですが、ムンテラ(ムンド テラピー)って言葉を聞いたドイツ人の友人が、「なんか卑猥な単語に聞こえる」って笑ってました。
Commented by E_physician at 2008-05-29 21:17
私もタトゥーはいいアイデアだと思うんですが,欠点は温泉やスーパー銭湯に行けなくなること.あと,気が変った時に消すのが大変(レーザーでも元通りにはならないし,高額だし)...なんで,入院した時に腕につけるリストバンド的なものが良いんではないかと.
Commented by valencienne at 2008-06-01 06:24

>ありすさん
確かに身元確認にしか使えないでしょうねえ。たとえターミナルでDNRってことで本人も家族も納得している場合であっても、いきなりやってきた「遠くの親戚」が大騒ぎするから結局なんかやらなきゃ、なんてことがありますもんねえ。

>santaさん
うちもそれで、いまいまで倒れて心臓止まった、っていう場合ならともかくCPAで見つけた、ってときは何にもしないで程よく冷えてきたら救急車呼んで、って言ってます。なんで警察じゃなくて救急車かっていうと、以前妻が冷たくなってるのを発見して最初に警察を呼んじゃった旦那さんが「なんで素人なのに死んでるって判断できるんだ?あぁん?お前が殺したからじゃないのか?」って警察に言いがかりつけられて拘留されちゃったの知ってるから。

>Oscarせんせ
わけのわからない理由で怒り出す・・・うう、容易に想像できるようになった自分が怖い。
Commented by valencienne at 2008-06-01 06:34
>鍵コメさん
えーと、画像引っ張り元のサイトはオーストラリアの尊厳死活動家のサイトなんですよね。まあまだ活動中の段階だからこそこういったタトゥみたいに「過激」な意思表示が話題にされたりするわけですけど。

アメリカではオレゴン州が尊厳死を法的に認めているってのは有名ですけど、やっぱりガンなりなんなりの「不治の病」の場合に限られるようで、もし救命しても大きな障害が残る可能性が高い事故やなんかに対する予めの意思表示とかは認められてないようです、でも臓器の移植なんか希望してたらあっさり殺してくれるみたいですよう、たとえ助かるもんだったとしても。

本人がDNR希望していたのに蘇生しちゃった場合、後で家族から訴訟を起こされるかどうかについては、Oscarせんせのところで事例が挙がってます、わたしもそのオチを知りたいですけど。
Commented by valencienne at 2008-06-01 06:49
>piroさん
おひさしぶりー、ドイツ馴染んでますー?なんでああいう患者さんってパンチクリンになっちゃうんでしょうねえ?ハイカリってそんなにすごいんだろか。うちもパンチクリンいっぱい、ファイティングおこして咳き込んでたりしてると、ベッドからこぼれるんじゃないかと心配になるぐらいですわ。

ところでムンテラ(笑)、気づきましたか。あと「カルテ」とか。日本で使ってるドイツ語とされる医療用語の話したらケニアで一緒に働いてたドイツ人ナースに「???」って顔されましたよ。

>E_physicianせんせ
>入院した時に腕につけるリストバンド的なもの
あー、遊園地の一日パスみたいな、去年仕事でフジロック行ったときにつけてたアレ、肌身離さずという観点からいうとそれがいいんでしょうかねえ。
Commented at 2008-06-11 23:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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