ブログ閉鎖のお知らせ

「漂流生活的看護記録」は2013年をもって終了いたしました。長年のご愛読ありがとうございました。


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# by valencienne | 2013-12-31 16:38

他に外すものはないですか?

年末に、やっとのことで美容院に行った。

もう3年近く伸ばしっぱなしにしていて、そりゃもう腰まで届くようになっており、仕事のときに丸めてナースキャップに入れようにも収まらなくなっていたからだ。その美容院で何とはなく美容師さんと世間話をしていたとき、「かつて一級建築士と呼ばれていた男」(元プリンスみたいだな)の限りなく黒に近い疑惑の話になった。プロ的に見てどうなんでしょあれって。

美容師「うーんうーん・・・生物的にあのツムジはないだろという話は内輪でしましたね」

あ、やっぱり話題にはしてたのね。

美容師「でもね、証人喚問のときすんごいキッチリと髪型セットしてたでしょ?あれ見てみんなで『あのヅラであそこまで素晴らしいブローをした人を見てみたい、あのテクはすでに ネ申 の 領 域 だ』って、評判だったんですよ」

そ・・・そうなの。

美容師「カツラって、高けりゃいいってもんじゃないんですよね、こまめなメンテが必要なだけで」

という話を聞いた、実際そうらしい。カツラ選びの大原則、知ってますか? | Excite エキサイト

さて、外科系病棟にいたときのことだが、手術を受ける患者は、身体に装着しているものを全部取って術衣というものに着替えてもらう。清潔区域である手術室に、余計な雑菌を持ち込まないためと、手術中の全身管理の邪魔になること、そして思わぬ事故の元にもなりかねないからである。眼鏡やコンタクトレンズ、入れ歯などは外してもらう、化粧やマニキュアも取る、もちろんカツラも。

ある患者さんが手術を受けることになった。その患者さん、どう見てもあからさまな「ヅラ」を入院時からずっと装着していた。当日、術前処置もすませ、身につけているものは全部取って術衣に着替えてもらったのだが、担当の新人ナースが確認に行くと、そのヅラはお行儀よく頭の上におさまったままである。

新人「あの・・・全部外されましたか?」
患者「はい、全部取りました」

新人「えーと・・・他に何か外すものはないですか?義歯とか・・・指輪とか・・・(視線は微妙に上のほうを泳いでいる)」
患者「ありません」
新人「あのー・・・」

患者「ありませんから」

新人「・・・・・ハイ」

ナースステーションに泣いて帰ってきた新人。
「どうしよう、あんなの(オイオイ)外さずにオペ出ししたら怒られちゃう・・・。」しくしく。

泣くんじゃない、おーい、誰かあの首に鈴をつけに行ける者はおらんのか。周囲を見回すと皆視線を合わせようとしない。「あっ、○○さんの処置があったんだっけー」などと、そそくさと出て行く始末。そうだ、こんな時こそ、婦長さーん!

婦長「あっ、そうだ看護部長に病棟日誌出しに行かなきゃ」

・・・・・そして誰もいなくなった。

オペ室への入室時間は迫る。困っちゃった(*´・ω・)(・ω・`*)ネー などと焦っていたところ、現われた執刀医。ああっ先生!ちょうどいいところへ。実はかくかくしかじかで「そのヅラ外せ」って引導渡してきてください。

執刀医「ゔ!オレが?オレだって医者である以前にひとりの男だぞ!そんな・・・」

さらに3人で悩む。すると執刀医、ピコーン!と何かひらめいたらしい。

執刀医「いいか、あれは彼の髪だ。オレが今認定した。ただちょっとアーティスティックなくせ毛なだけだ」

なんですと?

執刀医「自毛なんだよ!あれは彼と一心同体なんだよ!取れば、いや抜けばきっとどこかが痛むんだ、毛根じゃないかもしれないが。どうせキャップ被せちまえば一緒だ、さっさとオペ場連れて来い!じゃあな!」

そう言って、去っていく執刀医。
いいのかなぁ・・・でも先生もそう言ったことで連れて行っちゃいましょう。と、オペ室に無事入室。申し送りを受けるオペ室ナースも「心得ております」という笑顔でお出迎えしてくれ、ストレッチャーに移すときも、ズレないように細心の注意を払ってくれた様子。手術が終わり、お迎えに行ったときもキレイに頭の上におさまっていました。

しかし、これは苦肉の策だったわけで・・・、我々としては別に毛があろうがなかろうが気にするわけじゃないので、どうか正直に申告してもらいたいんだなこれが。個人的にはこう思っとります。
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# by valencienne | 2006-01-26 04:08 | 医療(裏)